るもーめんと

--- 猫と海外暮らし in KOREA ---

韓国で2度の流産を経験した話③ -稽留流産搔爬手術-

 

lumoazo.hatenablog.com

↑ 前回の続き。

 

 

たまに吐いたり、それなりのつわりと戦いながら過ごす日々。チュソクの嫁仕事も免除してもらい、ゆっくり過ごせたけど、やっぱり心拍を確認できてないまま過ごす3週間は最強に長く感じた。

 

そんな中、自分でもわかるほどの異変を感じた。

 

それは、検診予定日の3日前、急につわりがなくなり、全然受け付けなかった抹茶ラテが飲みたくなりカフェで購入。普通においしく飲めて、体も何だか元気。

 

なんかおかしいなぁと思いながらも、少し吐き気がある気もする。でもそれはつわりなのか、次の検診への緊張なのかわからないレベルの微かな吐き気。今思えばあれはただの緊張だったんだな...。

 

そうして迎えた2回目の検診当日。9w0d。前回小さかった胎嚢が急成長してることを願いながら、診察室へ。

 

エコーを確認。前回の胎嚢が少し大きくなり、卵黄嚢は見えているが、心拍は確認できない。9週だったら2頭身くらいになった姿を想像していたが、全く違うかった。

 

その現状を見た先生は「前回来たのは2週間前だよね?来週もう1回確認してみましょう」と言った。

 

そこで「わかりました」と言いかけている夫を差し置いて、私が「違います!前回来たのは3週間前ですよ!」と言った。

 

すると「そっかぁ。じゃあ今回は残念だけど...」と言われた。

 

え?カルテとか見ないの?何なん?適当?仕事で毎日何十人も相手するから業務的になってしまうのも仕方ないやろうけどそれにもほどがあるやろ...。

 

流産確定への悲しさと、適当すぎる先生へのさらなる不信感と怒り、そしてまた適当に答えようとした夫への怒り、そんな夫に頼ってひとりで病院にも来れない自分の情けなさへの怒り達が混ざった、何とも言えない感情に押し潰されそうになりながらも、今後の予定を確認。先生の都合もあり、手術は3日後になった。

 

 

稽留流産。9週の壁といわれているものを超えることはできなかった。

 

心のどこかで、この"もしも"の場合に備えて覚悟をしていたから、"やっぱりダメだったかぁ"というのが正直な気持ちだった。今思うと赤ちゃんに失礼な話なんだけど。それだけ未熟だった自分。情けないな。

 

つわりはなくなっていたものの、まだ赤ちゃんはお腹の中にいて、体は妊娠してると認識するのか、まだ時々胸が張り、痛みを伴う。その痛みを感じる度にすごく悲しくて涙が出た。

 

 

手術当日。手術前にもう1度エコーを確認するかしないかを選べた。"もしかして..."という最後の望みをかけて、確認することにした。結果は3日前と変わらないまま、心拍も確認できずで、そのまま手術を受けることになった。

 

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看護師さんに連れられて、超狭いトイレくらいの狭さの部屋で手術に関しての説明と、署名をさせられる。あぁ、ついに...って感じ。

 

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手術前の処置をして、1時間以上待機。手術室の隣にある回復室で寝ておくこともできると言われたが、夫と1階のカフェで時間を潰すことにした。その方が気が紛れると思ったから。私は絶飲食なので、夫がカフェラテを飲む姿を眺めるだけで我慢。

 

 

時間が来て、分娩センターへ移動し、回復室で点滴を開始し、その後自分で歩いて手術代に登り、自分で足を広げ、脱いだ自分のパンツを握らされ、両腕はぐるぐるに固定され、先生が来るのを待った。

 

手術室は想像と全然違った。狭くて、汚くて、ごちゃごちゃしてる。不衛生な雰囲気が漂っていて、正直印象が悪かった。なんだか不安しかないけど、ここまできたらもう受けて帰るしかない。まだ麻酔を入れてないのに、現実離れした、どこか夢をみているような空間だった。

 

先生が到着し、麻酔開始。ゆっくり深呼吸するように言われ、2回くらいしたところから記憶がない。

 

約15分後…。完全な眠りから突然起こされ、夢と現実の間にいるような感覚になりながら目覚める。

 

すると突然痛みが私を襲う。泣き叫ぶ私。なんと、まだ膣内に器具を入れてガチャガチャと作業をしていたのだ。

 

え。信じられへん。なんで起こしたん。え。意味がわからない。何?嫌がらせ?とまで思える痛み。ただでさえ辛いのに、何でこんな追い討ちをかけてくるのか。やっぱりこの先生無理。涙が止まらない。

 

やっと終わり、パッドを敷いたパンツを履かされ、自分で台から降り、隣にある回復室まで歩かされる。

 

f:id:lumoazo:20211028093300j:plainそこで痛み止めの点滴をされ、それが終わるまで横になっていた。お腹が痛くて眠ることもできない。生理痛の何十倍もの痛さ。さらにはもう色んな感情でストレスMAX。思い出しただけで本当に辛い。

 

1時間後、夫と合流し病院を後にした。もう病院には行きたくないと思ってたけど、翌日に消毒治療、1週間後に術後の経過確認に行かなければならなかった。

 

翌日消毒治療を受け、子宮内は綺麗になり、順調に回復してると言われた。そして、流産の原因を確認するために、血液検査で甲状腺の数値を見たけど特に異常はないらしく、流産の原因は初期流産によくある染色体異常でほぼ間違いないとのこと。

 

つわりの時より家事もせず、ゆっくり過ごさせてもらった。妊娠報告をしてた人達にも報告し、みんな労り気遣ってくれた。心配して駆けつけてくれたり、そっと心に寄り添ってくれたり。優しさに救われた。

 

一方、この悲しい報告にテンション爆上がりの人もいたので、妊娠報告をした時にも思ったけど、人に嬉しいことや悲しいことがあった時にこそ本性が出るなぁ...と。

 

いつか誰かが言ってた「人に起こった嬉しいことを自分のことのように喜び、悲しいことを自分のことのように一緒に悲しんでくれる人が、本当の"優しい人"だ」というのを思い出した。本当にその通りだと思った。

 

優しくされると、自分もこんな風に人に優しくできる人になりたいなと思ったし、無神経なことをされると、自分は気をつけなきゃって思った。まさに"人のふり見て我がふり直せ"ってやつ。色んなことから学びが生まれるものだな。

 

 

手術をした週の週末、義家族が私を励ます会を開いてくれるということになった。正直な気持ちとしては、"リアルに理解できない"といったところだ。だって、まだ5日くらいしか経ってないんですけど。何が腹立つって、義姉からの連絡を受けた夫がその場で断らないということ。本当に理解できない。

 

そんな夫にイライラし、機嫌が悪くなる私。そしてそんな私を見てイライラする夫。普通はもっと時間が経ってからじゃないのかと言ったところで、みんながるものためを思ってしてくれてることなのにと言われる。もうこれは完全に文化の違いだ。私が我慢することにした。

 

人のためと思ってすることやスピード感がやっぱり、日本と韓国では全然違うなぁと思うことが多々ある。だからもう慣れた。日本人が気を遣いすぎというのもあるかもしれないが。

 

まだ完全回復してない心と体を無にして、ちゃんと参加した自分を自分で褒め称えたい。

 

 

そして1週間後の診察。すごくお腹が痛くて心配だったが、まさかのただの便秘。笑!恥ずかし!便秘薬と鎮痛剤を処方され、痛みが続くようならまた来るようにと言われたが、薬を飲んだらすぐに解決。というか、もう一生あの病院には行きなくない。

 

本当に未知の世界だったこと、無知すぎた自分、色んなことに気づきがあって、たくさんのことを学んだ初めての妊娠。いつまでもクヨクヨしてはいられない!と、頑張って気持ちを切り替えようとする私だった。

 

つづく

 

 

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